子育て論

2001年12月19日

今日も5時起き。メールを読んでいると、イオpさんが2Fから「おかーさーん」と呼ぶ。最近イオpさんは、夜中に起きて、私がベッドにいなくても泣かない。ただ私を呼ぶだけだ。2Fに上がってイオpさんにおっぱいしながら「もう朝だから起きようか」と声をかける。6時過ぎだ。始めはぐずぐず行っていたけれど、そのうち「サイモンくん、まだ寝てる~」と言って起こしに行った。おまるを上手に使って、自分でバスルームへ持って行って、流している。自立している。「シャワーを浴びよう」と言うとまたもや「泣いてもい~い?」なんて言っている。実際には、泣かないのだが。「気持ちいいのやる?」と聞くので、汗でべたべたになった髪を洗った。おでこにもシャワーをかけると「それは、嫌~」と言う。キーキー怒らないので、とても助かる。フラワーエッセンスの効果だろうか。

学校へ出かけて入り口に託児のお姉さんがいたので、イオpさんを託そうとすると、イオpさんは、ものすごく暴れて嫌がった。お姉さんが、嫌らしい。仕方がないので、連れて上がる。下で遊んでいて欲しいと頼んでも「イオpさんもお勉強する。」とか「皆と一緒にいる」とか言う。考えれば、当然なんだけど。こちらのほうが、全然楽しそうなのだから。しょうがないので今日は、もうずっと一緒。午前中から実習だったのだけれど、イオpさんは私のペンを取ったり、教則本を引っ張ったり、ぜんぜん協力的でない。今日は、キララちゃんが来ているのだけれど、あまり一緒に遊んでくれない。上級の人たちが、イオpさんを呼んでくれて、キララちゃんやイオpさんと一緒に遊んでくれる。申し訳ない。イオpさんは、彼女らが本当に好きらしく、タイ語の会話本を見ながら一緒にタイ語の勉強をしている。シッターのお姉さんのことも、これくらい好きになってくれれば良いのに。

昼食は、先生に豆腐入りのスープとご飯をご馳走になる。イオpさんは、なんだか間食をしたのであまりお腹がすいていない様子。藤垣先生から、もしタイ語を本当に習いたいのならアチャン先生が、週に2回くらいだったら、授業の後に時間を取れると言っていると言う。1ヶ月に4000Bの授業料だそうだ。藤垣先生は、良い話ではないかと言う。確かに、移動しないでタイ語を習えるのはありがたい。効果的には山田先生の集中授業の方が高いだろうけれど、やはりタイ語を誰かに習ったほうが良いと思うので頼むことにする。頭の中で、この出費とイオpさんの保育園分の出費を賄えるのだろうかと計算する。アチャン先生は、穏やかな良い先生。ありがたい。イオpさんが「お昼寝する」と言うので、早めに上に上がっておっぱいでお昼寝にした。

結局、1時間半くらい寝てくれて、それまではゆっくり実習できたけれど、泣きながら起きて、しかもすごく機嫌が悪い。というか私にしがみ付いて離れない感じ。仕方ないのでマッサージを中断して、おっぱいにした。何度か離そうとしたけれど、全然だめだ。執着していると言う感じ。しがみ付いて、おっぱいを飲んでいる。しっかり抱いて、お話しながらおっぱいしている間に落ち着いたのか、おばちゃんのおやつの誘いに付いて行ってくれた。それからは機嫌良く、上級の人たちと遊んでくれた。お菓子を貰っても、私のところへ「食べてもいい?」と聞きに来るお利口なイオpさん。私は、ドイツ人女性ルースに遅れること30分でやっとマッサージを終えた。途中、何度もマッサージ台になってくれたタイ人従業員を痛がらせてしまった。なんか経絡が良くわからなくて、自信喪失。あまりに上手くいかなくて泣きそうになった。マッサージ終了後、彼女に謝ると「マンペイライ」と言って、「自分もそうだったから」みたいなことを言ってくれた。おまけにマッサージまでしてくれる。優しいなあ。

イオpさんのオムツを替えて、無意識に自分の肩をさすっていたら、アチャン先生が「肩が痛いの?」と聞いて来る。「子供を抱っこしているから肩が痛いんだね」と肩の治療をしていれた。すごく強く押されているのに全然、痛くないので驚く。

授業が終わって、藤垣先生と少し話をする。以前にも言われたことがあったが、また離乳のことを言われる。成長を妨げているのではないか、もう乳に栄養はないのではないか、依存しすぎて社会性に問題が出るのではないか、等々。考えてみたら、私は恵まれていて、今まで面と向かってこのようなことを言われたことはなかった。悪名高き1歳6ヶ月検診でも。藤垣先生に言われた事は全て、よく言われる事として、ラレーチェ・リーグの本などにもフォローの説明が載っているし、私自身が授乳に対してimasaと共にはっきりした見解を持っているので、特に不安になることはなかったけれど、「ああ、これかあ」という感じがした。藤垣先生が離乳を薦めたのは、私が皆の前で授乳することがあるからのようだ。今後、生徒から子供がいること、授乳をすることでクレームがつくかもしれないと言われる。当然、そのようなことはあるだろう。生徒のほとんどが日本人なのに、今の状態を受け入れられている方が、異常なくらいだ。けれど、いくら離乳の時期だと思うからと言って、こんな不安定な状態の時を選んで離乳する親がいると思うのだろうか。それとも70年代の子育てとは、そういうものだったのだろうか。もしかしたら、今の子育ても大方は、そういうものなのだろうか。実は、その後に「これは干渉しすぎになるかもしれないが」と前置きして「このままの子育てでは、衣穂ちゃんの先行きが不安だ」とも言われてしまった。私が、あまりにイオpさんのやりたい放題、野放しにしているのが、教育されていない、と心配だったらしい。私は、「大抵の事は、言えば聞いてくれるし、そうでなくても、怒るつもりはない」と言ったら、ますます心配になっていたみたいだった。「皆に迷惑をかけているので、幼稚園にやります。」と言うと「そうしなくても」みたいなことを言うので、同じフロアにいたら、私の処へ来ておっぱいを欲しがるのは当然だし、保育園では一人でやっているのだし、楽屋託児の時は同じフロアにいてもシッターさんと遊んでいられた事などを言ってみた。「違うフロアで託児して、泣いてもそこに拘束することは、あなたの育児方針と違っているかと思って心配」というようなことを言われる。私も黙ってしまった。今考えると、金曜日に私がマッサージを受けている間は、ラダ先生と楽しく過ごせていたのだし、ようは、シッター側の問題で、上手く遊んでくれればイオpさんは十分に3時間×2(午前・午後)を過ごしてくれると思うのだが。私が「やはり幼稚園へやったほうが良い」といって、あてもあることを言うと「その選択も含めて様子をみましょう。」と言われた。なぜ幼稚園へやることを選択させてくれないのだろうか?やはり離れ離れになることを心配してくれているのだろう、と思うけれど。経済的には、保育園へやることは苦しいし、預けることに不安もあるけれど、イオpさんが嫌いな人と苦痛の時を過ごす事は論外だ。

とりあえず話はそれで終わって学校を出た。イオpさんは、一緒に話を聞いていて、何かを理解したのだろうか。しきりに私の心配をして、手を引いてくれたり、話し掛けてくれたりしていた。気持ち悪いくらいにお利口だ。これもプルサティラの傾向なんだろうか。この3日間、確かにイオpさんは上級の人たちに遊んでもらって迷惑をかけたり、私にしがみ付いたりしていたけれど、大体においては2歳児とは思えないくらいにお利口にしていたと思う。しつこくされたりして怒ることはあっても、長い一日を機嫌良く過ごしていた。それなのに、私のせいで「将来、ろくでもない人になるかもしれない」風に言われてしまって、申し訳ない。日本の保育園でのイオpさんは、誰よりも規則に厳しくて「皆、座って!」などと、他の子にも規則の強要をしているくらいの厳しさなのに・・・。「イオpさんは、こんなに優しい良い子だよね」と言うと、ヘラヘラとわざとおどけている。泣けた。でも、やっぱり「お母さんと一緒にマッサージのお勉強、したい」らしい。そうだよね。

もう家に水がないのでLOTUSに寄って行く。カルピスウォーターの試飲をしていて、お姉さんが気が付くとイオpさんにコップを渡していた。「イオpさんには、多すぎるから半分頂戴」とお願いしても「やだ」と譲らない。その内に少しこぼしてしまった。私の顔を伺いながら、少しづつ結局、全部飲んでしまったイオpさん。「すごく甘いね。」なんて言っている。「全部、飲んじゃった。」とコップを見せる。「美味しかったの?」と聞くと「美味しかった。全部飲んじゃった。」と言う。「美味しく飲んだら、きっと体のためになるよ。でも少し、多すぎたかもね。こぼしたから大丈夫かもしれないけど。」と言うと、「たくさん飲んじゃった。」と自分でも認めていた。まあ、飲んだのは20cc位なんだけど。コップを返して、レジを済ませると、きゅうに「ごめんなさい」という。私は別に怒ったりしていないのに。「何がごめんなさい?」と聞くと「全部飲んじゃったから」と言う。怒らなくてもちゃんと判っているんだよね、イオpさん。imasaの言う通り、「優しく言った方が、ずっと効果的だよな」と、やはり思う。大抵の困った事は、イオpさんが困る事ではなくて、私がやられて困る事ばかりだ。その中でも譲れることは、結構ある。そうやって考えると、怒ってまで止めさせなくちゃいけない事は、そんなに無いものだ。歩きたがりのイオpさんは、いつも「歩く~」と暴れるけど、「車が多くて危ないから」と無理やり抱いても、怒ったりしないで、大抵すぐに大人しくなる。この頃は、本当に「説明すると判ってくれる」と言う感じが強い。まだまだ反抗期が来ていないからだろうか。でも、ちょっと前までは、本当によく「嫌、嫌」と言って何もかもを嫌がっていたよなあ。どうなんだろうか。藤垣先生のお陰で、改めてこんなことを考えて、イオpさんに優しく接する気持ちを新たに出来た。なんだか感謝の気持ちが湧くなあ。

「叱らないで育児をすること」やラレーチェ・リーグに代表される「卒乳という考え」を藤垣先生に説明する努力をするかどうか、考える。判ってもらう必要も無い気がするけれど、そういう考え方がきちんとした論理で存在すると言うことを理解してもらったほうが良い気もする。う~ん、また問われる機会があったら説明の努力をしてみようか。こういった事をimasaと良く理解しあって、同じ価値観を確認しあっていると、今回のようなことに出会った時に冷静でいられるのでありがたい。藤垣先生は、かつて夫婦でよく言い争いになったと言っていた。ホメオパシーやシュタイナー教育に対する夫の理解などのML等の話題でも感じるけれど、なんだかそういう状況は孤独だろうなあと思う。考えただけでも辛くて、自分が追い詰められそうになる。

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Posted by shoko at 2001年12月19日 22:00