平成11年11月11日生まれ(10歳になりました!)の我が娘を語る親ばかサイトです。

子育てを通して父と母が思ったことや学んだことなどをちょっとずつ紹介していきます。

2003年4月アーカイブ

2003年4月 1日(火)

なんでだろー?

とうちゃんとかあちゃんの会話の端に「なんで…」という言葉を聞きつけたいおぴー、突然「なんでだろー、なんでだろー」とやり始めた。

巷で流行っているらしいこのフレーズ、とうちゃんとかあちゃんはいおぴーが生まれる前にNHKのお笑い番組で見て知っているものの、TVをまったく見ないいおぴーは知る由も無いはずなのだが、訊くと「Yちゃんのまねしてるの」と嬉しそうに言う。保育園でも流行っていたらしい。園児を介しての又聞きなのでメロディーの正確さは望むべくも無い。ていうか、メロディーが存在しないと言った方がいいかもしれない。なまじとうちゃんとかあちゃんがクスッと笑ってしまったために、受けたと思ったいおぴーは、およそ抑揚の無い平坦な音階で「なんでだろー、なんでだろー、なんでだろー、なんでだろー、なんでだろー、なんでだろー……」と壊れたプレイヤーさながらエンドレスに繰り返す。もはやコミックソングとはかけ離れ、お経か呪文にしか聞こえないそれを口ずさみ続けるいおぴー。恐いよー。

2003年4月 2日(水)

役割分担

来週から新しい保育園へ通うにあたり、shokoと話し合いをした。shokoはまだ迷っているようだ。

とうちゃんとしては通ってもらいたいが、そうなるとshokoの負担が大きくなるのも事実なので、shokoの判断を尊重する旨を伝える。shokoは負担が大きいという部分に反応し、「弁当つくるのはimasaだからね」という。まあ、そのくらいはやらねばなるまい。そう思い、「じゃあがんばって作るから買い物よろしくね」と答えると、「どうせ買い物してないから作れないとか言うんでしょ。買い物も自分でして」と言う。

むかついた。そりゃ、西友は9時までやってるから会社帰りに買い物できないことは無いが、じゃあ夕食はどうするんだ。夕食の買い物と弁当の買い物をわざわざ別々にするのか。あほらしい。

とうちゃんが野球に気をとられつつ話していたので、shokoもむかついていたのかも。と後でちょっと反省。結局サヨナラ負けしました。

2003年4月 3日(木)

頼もしいいおぴー

いつもと同じ時間にとうちゃんが帰宅すると、いおぴーはグーグー眠っていた。shokoに聞いたら夕方図書館から帰ってお風呂に入った後、絵本を読んでお話ししていたらそのまま眠ってしまったらしい。

shokoは長野に引っ越すSさんの送別会に出かけるため、とうちゃんが帰るのを待っており、早々に出かけていった。いおぴーが起きたら泣くぞ。

なかなかいおぴーが目を覚まさないので、とうちゃんはネットサーフィンしたり雑誌を読んだりして過ごす。お風呂に入りたいところだが、いおぴーが起きた時、真っ暗でとうちゃんもかあちゃんもいなかったら、パニックでおしっこを漏らす虞があるのでそれもかなわない。

10時になってもいおぴーは起きないので、とうちゃんも寝ながら本でも読もうかと布団の仕度をする。すさまじい寝相ですでに270度ほど回転しているいおぴーを、抱きかかえ寝かせ直そうとしたら、起きちゃった。触らなければよかった。

いおぴーはボケーとしながらも、「おかあさんは?」と不安そうに訊いてくる。とうちゃんはわざとあっさりと「ちょっと出かけたけどもうすぐ帰ってくるよ」と言い、さらに「いおちゃんグーグー寝てるから、おとうさんひとりで寂しかったよ~」とおどけて畳み掛けると、いおぴーは照れくさそうに、「だってね、おかあさんと絵本返しに行って、帰ってきてお風呂はいったの。それでまた借りてきたご本を読んでもらったら、いおちゃん眠くなっちゃったんだもん」と言って笑う。とうちゃんがまた「いおちゃん起きないから寂しかったよ~」と言うと「でも、起きたから大丈夫よ。もう寂しくないでしょ?」と、とうちゃんの肩に手を置いて慰めてくれる。「うん。とうちゃん、もう寂しくないよ」と、とうちゃんが言うと、これで機嫌がよくなったのか、かあちゃんがいないのも気にせず、今日一日の出来事を延々と、とうちゃんに話してくれた。泣かれずに済んだ。

そうして、いおぴーは「おかあさん、帰ってこないねえ」とつぶやきながら、また眠った。かあちゃんいなくても平気ないおぴー。頼もしくなった。

2003年4月 4日(金)

庭の眺め

庭の梅の花がすっかりなくなると同時に、桜が花を開き始めた。窓の外いっぱいにピンク色が広がっている。これからの季節は庭の眺めがいいので、カーテンを開けたまま寝ると気持ちのいい朝を迎えることができる。とうちゃんが一番好きなのは葉桜の緑が陽に透けて輝く頃。それから樹々が濃く繁り、窓一面が緑で蔽われる夏も好い。

こうして窓から庭を眺めていると、保育園まで遠いのには目を瞑って、やはりここに住み続けるのが好いかなあと思う。

寒い季節がまた来ると気が変わるかも知れないが。

2003年4月 5日(土)

雨の一日

おとといに続き、昨日もshokoは知人に会うため、夜出かけた。とうちゃんといおぴーは先に寝てしまったので、shokoが何時に帰ってきたか知らない。

朝起きると、外は土砂降り。いおぴーと公園に行く約束をしていたが、中止。これだけひどい雨だと外に出る気も起きず、結局今日はshokoがちょこっと買い物に出たのを除けば、家族三人一日中家にこもっていた。

狭いながらも楽しい我が家というが、こんな日は狭い我が家が恨めしい。いおぴーときたら椅子に座っていようと畳に寝そべっていようとお構いなくよじ登ってるので、鬱陶しい事この上ない。雨で閉じ込められている上に、いおぴーにべたべたと付きまとわれると、どんどんストレスが溜まってくる。部屋の中でいおぴーの相手をしているとちょっとした息抜きもできず、とても疲れる。自然、とうちゃんとかあちゃんの間でいおぴーの押し付け合いが始まるのだった。

いおぴーにとっても、とても詰まらない日だったに違いなく、暗くなると早々に眠ってしまった。可哀相だとは思うが、とうちゃんもかあちゃんも人の子だ。恨むなら雨を恨め。

いおぴーが寝た後、とうちゃんとかあちゃんは「ダブリンの鐘つきカビ人間」を観た。

2003年4月 6日(日)

トーマスランド

今朝は昨日とは打って変わっての晴天。出不精のとうちゃんもさすがに昨日一日家に閉じこもってうんざりしていただけに、パーっと何処かに出かけてみたくなる。昨日はいおぴーに可哀相なことをしたので、ご機嫌取りに「トーマスランド行こうか」と言ってみる。いおぴーさん大喜び。「機関車トーマス」自体はほとんど見たことないくせに、例によって保育園のお友達の影響で、自分もトーマス好きと思い込んでいるいおぴー。お友達の誰某君が行ったというトーマスランドに、自分も行ったことがあると言ったり(2002年9月12日の日記参照)、行きたい行きたいと言ったりしていたのだ。

そうと決まれば早速、「あとちょっと~」と寝ているかあちゃんを「ドライブ行くよー」とたたき起こす。いおぴーは「ドライブ行かないの!トーマスランド行くの!」と怒っている。相変わらずドライブの意味が解かっていない。

水筒にお茶だけ詰めて無計画に出発。富士の麓を目指して中央道を行く。風がやたらと強く、うちのクルマは特に横風に弱いので安全第一でのんびり走る。あちらこちらに見える桜が満開でとてもきれいだ。今日花見の人は最高だろう。昨日だった人はお気の毒。快晴なので富士山もよく見える。雪をかぶって真っ白だ。いおぴーが「雪に触りたい」と言う。「雪はおやまの上まで行かないと触れないね」「もう少し大きくなったら皆で富士山に登ろうね」などと話していたら、進むに連れて周りがどんどん雪景色になってきた。昨日の東京の大雨は、こちらでは大雪だったようだ。

途中サービスエリアでトイレ休憩を挟み、11時ごろ目的地に到着。駐車場に車を入れるともうそこは雪国さながら。除雪車走ってるし。雪かきして脇に積まれた雪はあちこちに小高い山をつくっている。こんなたくさんの雪は「ピングー」でしか見たことのないいおぴーは大興奮。車が止まる前から「雪で遊ぶ雪で遊ぶ」と大騒ぎ。ほっておけば一日中駐車場で遊んでいそうないおぴーを、「早く行かないとトーマスランド閉まっちゃうよ」「トーマスランドの中にも雪はいっぱいあるよ」と説得して、ようやく園内へ。

入ったら入ったでまた興奮気味のいおぴー。本格的な遊園地は初めてだから無理もない。まずは一番乗りたがっていた「ハッピー・ハロルド」に並んで乗る。shokoはいおぴーがこの手の乗り物に乗ったことがないので怖がるのではないかと心配していたが、全然そんなことはなかった。shokoは知らなかったが実はいおぴー乗り物は初めてではないのだ(2002年9月21日の日記参照)。臆病者のいおぴーだが、怖がるどころか大喜びで、「こんどはあれ乗りたい~」と何でも乗りたがる。しかしあまり有料の乗り物で遊ばせるのは気が進まないのでもうひとつ「みんなでツイスト」に乗った後は、迷路やアスレチックで遊ばせる(アスレチックが思いのほかしょぼかったのは残念)。一番熱中していたのは雪玉投げと雪だるまつくりだった。どこで遊ぼうと本当に楽しそうに遊ぶいおぴーはすごく魅力的だ。のびのびと自由に遊ばせておくのが一番いい。大きい子供たちを見て危ない真似をしたがるのにはちょっと困ったが。

最後に「わくわくトーマスライド」に乗り、満足感を味わって(出口がグッズショップになっており、いおぴーが動かなくなったのには閉口した)、トーマスランドを後にする。「何が一番楽しかった?」と訊いたら、「ぜーんぶ一番楽しかった!」と答えるいおぴー。よかったね。

富士急ハイランド内を抜ける途中で、いおぴーが大観覧車を見てみんなで乗りたいというので、乗ることにする。乗り物にはいおぴーととうちゃんしか乗っていなかったので、三人で乗るのも記念になっていいだろう。と思ったが、とうちゃん実は高所恐怖症なので、いざ乗ったら、いおぴーがはしゃいでゴンドラ内を動き回るたび、冷や冷やして(乗らなければよかった)とも思った。

いおぴーのご機嫌を取った後は、shokoのご機嫌を取ろうと「御殿場プレミアムアウトレットに寄っていこうか」と提案。shokoも賛成する。すぐそばなのかと思ったら意外と遠く、1時間半ほどかかったが、その間いおぴーが寝てくれたのでちょうどよかった。近くまで来ると入場規制中ということですごく渋滞していて、入るのに30分近くかかってしまった。ようやく駐車場に入れるという頃、これまた好都合にいおぴーが目を覚ました。

昼食がトーマスカフェでの軽食だったため、とうちゃんもかあちゃんも小腹がすいていて、とりあえずフードコートで休もうということになった。それぞれの好物、とうちゃんは御殿場カリー、かあちゃんは御殿場地ビールを注文。いおぴーは何にもいらないと言い張っていたが、とうちゃんの真似をしてカレーにした。

フードコートからは富士山の全景が黄昏に映えているのを眺めることができ、とても気持ちよく休むことができた。が、それは唐突に始まった。壁に飾られた3つの巨大な鹿の頭部の剥製が動き出し、カントリーを歌い始めたのだ。設計者は気の利いた趣向のつもりだろうが、いおぴーにとっては悪夢でしかなかった。驚きに見開いた眼はウルウルと潤み、口元は締まりなく震えている。そして、「すぐ外に出たい」と弱弱しく訴える。よほど怖いらしい。フードコートを出た後もずっと鹿の影に怯えていた(とうちゃんがいい子にしないと鹿が追いかけてくるよと脅したせいもあるが)。せっかくの楽しい一日が、鹿のおかげで台無し。

閉園まで買い物してすごし、帰途に着く。衝動的で無計画な日帰りドライブのわりには、充実していて満足したとうちゃんとかあちゃん。ついでに温泉にでも泊まっていきたいところだが、残念ながら明日ははずせない打ち合わせがあるため帰らねばならない。東名高速は事故の影響で大渋滞。3時間以上かかって、10時過ぎに家に着いた。いおぴーは眠っていたが、着いたとたんうなされて大泣き。shokoに、鹿のことで脅したからだと怒られた。

2003年4月 7日(月)

チガ?

いおぴーさんの言葉も随分達者になってきたものだが、なかなか直らない勘違いもまだまだある。

最近、いおぴーさんが「血」のことを「チガ」と覚えていることに気が付いた。今までは普通に「ちがでた」と言っていたので気が付かなかった。今日ちょこっとすりむいた傷から血が出ている指を見せて、「ほら、チガだよ」と言って来たいおぴー。最初、チガって何?と思ったが、とうちゃんがとぼけていると思ったらしく、ちょっと怒って「ほら見て。チガが出てるでしょ!」と言うので、ようやく気が付いた。とうちゃんが「チガじゃないよ。血だよ、チ」と言っても、理解できずチガ、チガと言っている。覚えたての頃すぐに訂正すれば覚えなおせたのだろうが、この頑なさから見るに、けっこう長いこと「チガ」で通してきたようだ。もっと早く気づけばよかったのだが。

同様に、「蚊」も「カガ」と言ってることが判明。「かがとんでる」とか「かがはいってきた」などと言ってる時は気が付かなかったが、絵本を読んでいて「カガも虫だよね~」なんて言うので発覚した。

一文字の単語は難しいのかな。「目」とか「手」とか「火」は普通に覚えてるけど。

2003年4月 8日(火)

早寝

保育園に行かなくなって、お昼寝の習慣が無くなったので、限界まで遊び続け、電池が切れるとばったりと早い時間に寝てしまういおぴーさん。おかげでこの頃は、とうちゃんが帰ってくる時間にはすでに夢の中だ。早寝は夜更かしよりは良い傾向だとは思うが、とうちゃんちょっと寂しいのだ。

明日はいよいよ、はらっぱ園の入園式なので、遅刻をしては大変と、とうちゃんもかあちゃんも早く寝る。とうちゃんも明日は会社を休んで入園式に行くのだ。でもとうちゃんは、シュタイナー教育って全然理解してないので、けっこうプレッシャー。

2003年4月 9日(水)

入園式

今日は入園式。皆早起きして仕度する。いおぴーも珍しく気合が入っている。今までは保育園に持って行くのを禁止されていた自分のリュックに、自分の着替えやお弁当を詰めて背負って行けるのが嬉しいようだ。

井の頭公園をぶらぶら散歩しながら行けばいいからとかなり早めに家を出た。今までと違い、ラッシュと逆方向なので電車は楽だ。吉祥寺で降りて、井の頭線に乗り換えてもいいのだが、時間に余裕があるので公園の中を歩いて行くことにした。それでも30分以上前に着いてしまった。まだ誰も来ていない。一番乗りだ。

玄関を入り、下足箱を見ると綺麗でシンプルな絵柄のマークが並んでいる。シュタイナーでは文字を教えないので名前は書かず、各園児のマークを決めて、持ち物等は全てそれで示すらしい。いおぴーのマークはうさぎにしてもらうことにしたのだが、shokoの申告が遅れたため、いおぴーのマークだけ準備が間に合わなかったらしく、下足箱にうさぎのマークは無かった。しかたがないので空きスペースに靴を置かせようとすると、いおぴーは「好きなマークに置いていいんだよ」と勝手に決めて、くじらのマークを自分のにすると言う。ロッカーも同様に、一箇所だけマークの無いスペースがあったので、そこにリュックを入れさせようとしたが、どうにも不満らしく、頑なにリュックをロッカーに入れようとしなかった。

二階に上がり、しばらく玩具で遊んでいたが、誰もやって来ないので時間を間違えたかととうちゃんとかあちゃんが不安になりかけた頃、先生が到着した。それから次々に、皆やって来た。集合時間通りだ。普段ろくに時刻を守らないもんだから、こういう時だけ過敏になって異常に早く来てしまうのはウチぐらいのようだ。

ちゃんといおぴーのマークも用意してくれてあり、早速うさぎの絵のシールをロッカーと下足箱とコート掛けに貼ってもらったいおぴーは、満足げにリュックを自分でロッカーに入れていた。

全員が2階に上がって、入園式が始まる。入園式といっても形式ばったものではなく、わらべうたで一人一人園児の名前が呼ばれ、先生からお花をプレゼントしてもらい、おやつを食べ、全員で「うめとさくら」のお遊戯をして、先生に「星の銀貨」のお話をしてもらい、最後におかえりのうた(オリジナル)を練習してお終い。その間の実に和やかな感じが(時間的にも空間的にも)とても心地よく、思わずいつまでもここで過ごしていたいと思わせるものだった。ああ、これがシュタイナー教育というものなのかと改めて実感し、なるほど子供にシュタイナー教育を受けさせたくなる親の気持ちがはじめて理解できた。とうちゃんはこれまで、「教育におとなが決めたルールなど必要ない。子供の自由にさせればいい」という考え方から、シュタイナー教育というものに対しては少なからず偏見を持っていたのだが、心地よい場と時間を子供に与えてやれることに関しては、シュタイナーのメソッドはとても優れている。というか理屈抜きによいと思った。何でも体験してみないとわからないものだ。

この後は、皆で三角公園へ行き、持ち寄りの昼食。だが、子供たちは早速、長靴やサンダルに履き替え、川で遊び始める。今日は絶好の日和で、公園は桜が満開だし、期せずして花見まで楽しめた。会社休んでよかった。

お昼を食べた後は自由解散となったが、いおぴーは飽きずに川で遊び続ける。踏み石の上をサンダルでヒョコヒョコ行ったり来たりしているので、いつか落っこちるんじゃないかと思っていたら、落ちた。幸いとうちゃんが近くにいるときだったので、すぐに拾い上げ、ずぶ濡れになったいおぴーをかあちゃんのところまで抱いていった。泣いているいおぴーにレスキューを飲ませ、水道のところへ連れて行って、泥を洗い流す。これで川で遊ぶのが嫌いになってしまうかなと心配したが、着替え終えたら、またすぐに川へ遊びに行ってしまった。まったく懲りていないようだ。「さっきは男の子が来たから、いおちゃんああああってなって落ちちゃったけど、もう落ちないよ」と言っていた。

2時半ごろまで遊んで、うちも引き上げることにした。公園を抜けて行くと、いおぴーは「舟に乗りたい」と言う。この間の部屋探しのとき、舟に乗ると約束して果たせなかったので、今日は乗ることにした。ボートに乗って水の上から花見も好いものだ。いおぴーの選んだ足漕ぎボートに乗る。とうちゃんとかあちゃんが漕いで、いおぴーが舵とりだ。いおぱーは常にハンドルを目いっぱいまで回すので、ボートは右往左往。おまけに大声で「あっ!あぶない!ストーップ!」などと他のボートの交通整理までしようとするので、皆に笑われた。30分乗っただけで足が棒のようになった。「おだんご食べたい」と連呼するいおぴーをなだめつつ、公園を後にする。

無印やおば玉に寄り、夕食はタパスタパスで済ませた。帰りには雨が降り出し、昼間の陽気が嘘のように寒かった。いおぴーはベビーカーで眠ってしまった。寄り道しないでさっさと帰ればよかった。

2003年4月10日(木)

一日目

はらっぱ園一日めである。今までにも何度かミーティングにはついて行ったいおぴーだが、今日は初めて、玄関でかあちゃんと別れ、お迎えまで過ごすことになる。お弁当と水筒をリュックに詰め、元気に出かけた。

夜とうちゃんが帰ると、めずらしくいおぴーは起きていて、「おかえりー」と元気に出迎えてくれた。「はらっぱ園楽しかった?」と訊くと、「楽しかったデース!」とまじめなんだか不真面目なんだか判らないがこれまた元気な返事。shokoに様子を訊くと、園が終わった後も三角公園で遊ぶといって聞かず、おかげで仕事もまったくできず、あげくに帰りの電車で寝てしまったいおぴーを抱えて帰り、もうくたくただと、一日めにして音を上げている状態。大丈夫でしょうか。

いおぴーもけっこう疲れたと見えて、かあちゃんにマッサージをせがみ、足を揉んでもらいながらぐっすり眠ってしまいました。

2003年4月11日(金)

おばあちゃんと一日過ごす

金曜日はらっぱ園お休みの日。しかし、shokoは仕事があるので今日一日、いおぴーさんはおばあちゃんのところで過ごしてもらうことになった。おばあちゃんが大好きとはいえ、朝から晩までひとりでおばあちゃんの家で過ごすのは初めてのいおぴー。ちょっと心配。特におばあちゃんの方が。

とうちゃん仕事が終わって、一旦家に帰ってから車でいおぴーを迎えに行く。8時過ぎだ。着いたらshokoはまだ来ていなかった。仕事が長引いているらしい。いつもならそろそろ寝る時間だというのに、はしゃいでとうちゃんにじゃれつくいおぴー。とうちゃんが、一生懸命話しかけるいおぴーに生返事をしながら、おばあちゃんの話を聞いていたら、唐突にいおぴーが張り裂けんばかりの大声で泣き出した。慌てて抱っこしたら、とうちゃんの肩に噛み付いた。噛み付いたまま、どんなになだめても泣き止まない。今まで堪えていたものが堰を切って溢れてきたようだ。まずは真剣にいおぴーの話を聞いてやるべきだった。いおぴーに申し訳なく思った。

いおぴーはしばらく泣き続けた後、憑き物が落ちたように泣き止み、何事もなかったかのように振舞い始めた。とうちゃんは忘れがちになっていたいおぴーのナイーブな一面を思い出させられ、ちょっと胸が痛んだ。

2003年4月12日(土)

リュックを買いに

shokoがグロッキー気味で昼過ぎまで寝ていたので、とうちゃんがひとりでいおぴーのお相手をしつつ、掃除と洗濯。掃除機はいおぴーが掛けてくれた。よく四角い部屋を円く掃くというが、いおぴーの場合は四角い部屋をXに掃くという感じだ。洗濯物を干し終えたと思ったら、雨が降ってきてすぐに取り込むはめになるし、ちっともはかどらない。昼はいおぴーとふたりで、パスタを茹でて、先日大量に作ったラタトゥイユをかけて食べる。shokoは要らないという。

午後遅く、雨が上がった頃にようやくshokoは起きだして来て、いおぴーのリュックを買いに行こうという。今あるリュックではお弁当と水筒、着替えまで入れるにはちょっと小さいのだ。はらっぱ園のお友達Aちゃんが、JACK WOLFSKINのリュックを背負っていて、とても良さそうだったので、ジャックウルフスキンのお店がある吉祥寺に出かける。そしたら店の近くで、はらっぱ園のお友達B君一家とばったり。B君はしっかりジャックウルフスキンのリュックを背負っている。たった今買ってきたという。皆考えることは同じらしい。狼の足跡がはらっぱ園のトレードマークみたいになりそうだ。

2003年4月13日(日)

フリマ

公園に行きたいと言ういおぴーの声を無視して、西友のフリーマーケットに出かける。いおぴーも最初は嫌がっていたが、「去年は三輪車買ったよね~」とか「おととしは貝の首飾り買ったっけ」とか言ってだまくらかしてその気にさせ、行くことに同意させた。

行ったら行ったで、shokoは単独行動で買い物に集中しているので、とうちゃんといおぴーは屋上の遊具で遊んで時間をつぶす。結局いおぴーは公園に行くのと大して変わらなかった。shokoは、はらっぱ園での泥遊びに備え、ジャージの類をたくさん購入。ちょっと可愛いレインハットも買った。

昼食を外で食べた帰り、「いおぴーのお風呂スポンジ買わなきゃ」とまた西友に寄る。shokoがお風呂スポンジを買いに行っているのを待つ間、無印良品のソファのところで休んでいたとうちゃんは、「体にフィットするソファ」というのを試しているうちに、大いに気に入ってしまい、思わず衝動買いしてしまった。いおぴーも「買おう買おう」と言うので、つい。

スポンジを買って戻ってきたshokoはとうちゃんが抱える超巨大な包み(配送が待ちきれず、持ち帰りにした)を見て、吃驚。そして、無印が20%オフやるまで待てば、とかセゾンカードで買えばポイントついたのに、とかすごく怒った。でも、家に帰ってshokoも実際に試したら、大いに気に入ってしまい、三人で奪い合いになった。shokoがもう一個買ってと言うので、20%オフになったらセゾンカードで買えば?と答えておいた。

2003年4月14日(月)

お弁当

役割分担するといった手前、今日からいおぴーのお弁当を作るのはとうちゃんの仕事となる。朝6時におきてご飯を炊く。朝食は果物というのがすっかり定着しているので、朝、ご飯を炊くのは、今年に入って初めてかもしれない。

プチおにぎりを5個つくる。おかずはブロッコリとニンジンを蒸したのと、キュウリと小さいトマト(ヘルシーミディ)1個。野菜ばっかりで、凝ったおかずは作らないから、思ったより楽チンだった。ついでにshokoの分も作った。とうちゃんは昼カレーが食べたくなる予感がしたので自分の分はつくらなかった。

夜、いおぴーにお弁当の感想を聞くのが楽しみで急いで帰ったが、いおぴーはすでに眠っていた。shokoに訊いたら、おにぎりは1個半しか食べてなかったらしい。でもshokoがお迎えに行ってから、「おかあさんといっしょに公園で食べたかったの」と言って公園で1個半食べたという。おかずはブロッコリとキュウリとトマトは食べたがニンジンは残した。ふむふむ、今後の参考にしよう。

明日は今日のご飯の残りで何か作ることにして、ちょっと余計に寝よう。

2003年4月15日(火)

キャラクター

昨日の残りご飯とラタトゥイユの残りでリゾットをつくる。あと、トマトとブロッコリとキュウリを添えて出来上がり。楽チンだ。そして手抜きの割りにはゴージャスに見える。

今朝は雨が降っていたのでいおぴーはレインコートを着て出かけることになるのだが、いおぴーのお気に入りはくまのプーさんのレインコート。しかし、はらっぱ園はシュタイナー系ということで、禁止されているわけではないと思うがキャラクターものを身に付けて行くのは憚られるといった感じなので、shokoは無難に無地の黄色いレインコートを着せようとする。やはりプーさんのがいいと言ういおぴーに、プーさんのはおばあちゃんの家に行くときにとか、こっちのレインコートも着てあげないと寂しがってるよとか、いろいろ言い含め、ようやく無地のを着てもらう。なんだかどうでもいいところで神経を使う。傘なんかミッキーマウスのしか無いがどうすんだ。

とかく子供はキャラクターものが好きである。とうちゃんもかあちゃんも例外ではなかったはず、というより、バリバリのアニメ特撮世代で思い切りTV漬けで育ってきたわけですが、キャラクターものが好きだとまともな人間になれないと言われたら、私らの立場は?って感じで心外な気もする。しかし、現に今、ダメニンゲンだろ。と言われれば返す言葉も無い。

子供の頃の持ち物で、このキャラクターがついていた、っていうのは意外に覚えていない。あまり持っていなかったのかな。唯一記憶にあるのは「ばくはつ五郎」の枕カバー。

2003年4月16日(水)

お弁当

昨日のお弁当はきれいに全部食べてくれた。やっぱり、おにぎりより味つきご飯のほうがいいのか。考えてみれば、とうちゃんもそうだな。

でも今日はご飯を炊いてプチおにぎり。4個にしてみた。あとはもう、一昨日と一緒。ニンジンは乱切りだと食べてくれなそうなので、まーるくしてみた。ヘルシーミディは「へんなトマト」とお友達に面白がられたようで、「今日も入れてね」とリクエストされた。できたお弁当をいおぴーに見せたら「デザートは?」というので、朝食のイチゴを2個入れてあげた。

ニンジン

帰宅後、さっそくいおぴーにお弁当の感想を訊くと、「ニンジン硬かった」という。ぜんぜん食べてない。そうか、球形にするために大きめに切ったから若干蒸し時間が短かったかもしれない。大人にはちょうどいい歯ごたえなんだけど。「いおちゃんニンジンきらいなの。もうニンジン入れないで」と言うので、「じゃあ明日はお星様にするから、食べてくれる?」と訊いたら、「うん」と答えてくれた。

我ながらアホらしいと思ったが、こうなったら意地だ。

2003年4月17日(木)

お弁当

毎朝6時に起きるのがつらくなってきた。炊飯器なら楽なんだけど、とうちゃんは鍋で炊くから手がかかる。せめて米を洗うのくらいは前の晩にやっておこう。

蒸したニンジンを星型に切る。型が無いので包丁で。出たクズはshokoのお弁当に入れる。今日は順繰りに担当する保育サポートの番だから、shokoのお弁当もつくる。shokoには大きいおにぎりを2個。いおぴーにはいつもよりちょっと大きいおにぎりを3個。毎回大きさを変えて、どれが食べやすいかリサーチ中。shokoのために小松菜も入れた。いおぴーは食べないかも。

shokoが保育サポートの当番で、いおぴーは一日かあちゃんといっしょに過ごせると昨日から浮かれていた。ほかのお友達のお母さんが一緒に遊ぶのを今まで見ていたから、うらやましかったのだろう。

夜、shokoが園での様子を話してくれた。いおぴー、一日中泣いてばかりいたそうだ。先生に聞いたら、どうやら苦手な男の子がいて、今までにも何回か泣かされているとのこと。今日は特にかあちゃんが傍にいたので、些細なことでも感情の堰が切れてしまうようだったみたいだ。普段はもっと淡々と遊んでいるらしいが、つまりは我慢してるってことだ。なんだかいおぴーが可哀想になってきた。最初のうちだけだといいけど。

2003年4月18日(金)

神様

金曜は休園日なので、お弁当作らなくていいのだ。1時間余計に眠れてうれしい。

いおぴーが「神様ってどこにいるか知ってる?」ととうちゃんに尋ねる。とうちゃんお腹に手を当てて、「十二指腸」と答える。「ちがーうよーだ!」と怒るいおぴー。いかんいかん、まじめに答えてあげなければと思い、今度は胸に手を当てて「ここにいるよ」と言うと、「ちがうよ。神様は上にいるんだよ」と天井を指差す。ほほぅ、そう来たかと思いながら聞いていると、いおぴーはしたり顔で続ける。

神様は天井にいるの。ねずみと一緒に ええ? ねずみが神様の足をガリッてかじったので、神様はイテテーってなって、ケンケンパしました で、どうなったの? ねずみは死んだ。神様が怒って棒でバーンてやったから ・・・・・・

うちには、そんな神様しかついてないのか。と哀しくなったが、よく考えたら神話や聖書の神様も似たようなもんだよなと思った。

2003年4月19日(土)

お針仕事

めずらしくひとりでおとなしく遊んでいると思ったらいおぴーさん、かあちゃんの裁縫箱から針山を取り出して、針と糸で自分のシャツのタグをせっせと縫っていた。「とれそうになってたから、いおちゃん直しといたの」と言っている。結構長い時間やっていたと見えて、タグの部分がびっしりと黒い糸で縫われている。ひたすら針を刺しては通しただけなので実質何の役にも立っていないのだが、これをいおぴーがひとりでやったと思うと、感動すら覚えた。「ちょっとチクンてなっちゃったけど」とそれをたいした事ではなさげに言ういおぴーは、とても誇らしげだ。とうちゃんとかあちゃんが心底驚いているのを感じ取っているのだろう。ここまでやられると、迂闊に危ないからと言って針を取り上げるのにも抵抗がある。かと言って危ないのには変わりないし。難しいところだ。

「おかあさんの真似したの?」と訊いたら、「ううん、シュミちゃんがやるの見ておぼえたの」と答える。稽古場や衣裳部屋で遊ぶうちにプロの技を盗んだか。もう少し大きくなったらシュミちゃんのところへ針子として丁稚奉公に出そう。

2003年4月20日(日)

雨の公園

今日はいおぴーさんが待ちに待った「マオ君とそりで遊ぶ日」なのだが、あいにく天気は崩れ気味。とうちゃんが「雨が降ったら遊べないね」と言うと、いおぴーは「そうだね。雪ならいいのにね」と答える。なぜ雪?と訝るとうちゃんに、「だってそりは雪の上をすべるんだよ」と言う。なるほど。

いおぴーが「早く行こう早く行こう」とうるさいので、まあこのくらいの雨なら遊べないこともあるまいと、早めに家を出る。しかし、あんまり早く着いて遊びすぎると、待ち合わせの昼まで持たないおそれもあるので、途中給油やら買い物やらで寄り道をして時間をつぶしながら目的地の小金井公園に向かう。しかし道路が吉祥寺から小金井にかけてかなり渋滞しており、結局、公園に到着したのは早めどころか時間ぎりぎりの12時。

雨脚が若干強くなってきたので、いおぴーにはレインコートを着せ、とうちゃんは傘を差して待ち合わせ場所のアスレチックのところまで向かう。さすがに遊んでいる子供は誰もいない。いおぴーは早速アスレチックで遊ぼうとしたが、雨で濡れていて足元が危ういのをいやがって、アスレチックの次に好きな滑り台へ行こうとする。とうちゃんも深く考えずにいおぴーについて行ったのだが、どうやらこの滑り台がアスレチックからは死角になっていたため、マオ君一家とすれ違いになってしまったらしい(と後でメールをいただいて判明)。こんな時、とうちゃんが携帯でも持っていれば何の問題も無いのだろうが、とうちゃんの携帯嫌いは変わらないので悪しからず。

というわけで、結局いおぴーととうちゃんは小雨振る中(幸いすぐに傘が必要ないくらい微かな雨になった)、滑り台したり、お山を探検したり、鬼ごっこしたり、お店屋さんごっこしたりして、2時間ばかり過ごし、あげくにいおぴーは揺れているブランコに突進して頭をぶつけ、大泣き。これを潮に引き上げることにした。

帰りの車でいおぴーは、おやつとして持ってきたほうれん草ボーロを、4個だけという約束だったのにたくさん食べて、とうちゃんに「今何個食べた?」と訊かれると、「訊かないで!」と逆切れし、とうちゃんを無視して残っていた分をすべて食べ尽くすと、さっさと眠ってしまったのだった。

2003年4月21日(月)

弁当作りはタイヘンなので

一週間交代にしませんかとshokoに持ちかけたところ、あっさり拒否され、じゃあせめて月曜日だけはかあちゃんが作ってとお願いしたら、前の日にご飯炊く準備をしておくという条件付きで渋々ながら了承されたので、今日はとうちゃん7時半まで寝ていることができた。うれしい。

shokoがとうちゃんの分までお弁当を作ってくれたのだが、これがおにぎり3個におかずは野菜のみ。しかも味付け無し。まあ、とうちゃんがいおぴーに作るお弁当も似たようなものなので文句は言えないが、ふと、いおぴーはこれで満足できているのだろうかと不安になる。子供の頃からベジタリアンて、どうなんだろう。

いやこんな風に考えてしまうのは誤った栄養学の常識にまだまだ囚われているってことだろう。戦時中、芋しか食べられなかったじいちゃんばあちゃん世代はぴんぴんしてるのに、近代栄養学に基づいて栄養をたっぷりとって育ったはずの戦後生まれの中年層は生活習慣病でばたばた倒れてるしな。この間来日したインド人ホメオパスの博士は、プロレスラーみたいなごっつい体格してるけど、生まれてから肉も魚も食べたこと無いっていってたし。肉食わないと体が作れないってのは明らかに嘘だってことだ。と自分に言い聞かせる。あ、でもたんぱく質は必須だから、豆食べないと。今度からお弁当には豆をたっぷり入れてやろう。

2003年4月22日(火)

バレリーナ?

shokoの友人が亡くなったのでお通夜に出るため、いおぴーはおばあちゃんの家に預けられた。

夜、とうちゃんが迎えに行くと、いおぴーがいきなり「おとうさん、見て見て~」とやって来た。何を見てほしいのかと思ったら、いおぴー、爪先立ちで立ったり、手を広げてくるくる回ったりして見せる。どこで覚えてきたのか知らないが、バレエの真似らしい。おばあちゃんは無責任に「いおちゃんはバレリーナになれるね。バレエ習うといいよ」などと言っている。いおぴーもその気になって「いおちゃんバレリーナになる。バレエ習いたい」と言う。冗談じゃないよ。いおぴーは体型的にバレエって感じじゃないだろ、どうみても。そういえば、この間、駅へ向かう道程で「いおちゃん阿波踊りで行くからね」と言って、延々阿波踊りの恰好しながら歩いて、道行く人々に笑われ、恥ずかしかったとshokoが言っていた。いおぴーはバレエより阿波踊りだ。アワオドリーナになれ。

2003年4月23日(水)

サバンナに生きる

shokoが保育サポートの当番の日。いおぴーは喜んでいるが、shokoは出かける前からくたびれ顔。

いおぴーは、相変わらず男の子に泣かされっぱなしらしい。楽しそうに遊んでいると、何かにつけてちょっかいを出され、今日も5回くらい泣いたという。shokoは可哀想で、園をやめさせたくなったと言っている。でも本人は、乱暴な子は嫌いだが、園へ行くのはちっとも嫌じゃないみたい。とうちゃんに似てポジティブシンキングな人なのか、いおぴー。

先日も、男の子たちはライオンごっこ(アバレンジャーごっことかじゃないところは好感持てる)をしていて、いおぴーはひとりでままごとをしていたら、ライオンたちが餌を奪いにやって来て、大泣きしたらしい。いおぴーの園での日常はまさに、肉食動物に狩り立てられる草食動物のようなものだろう。サバンナに暮らすシマウマは、毎日ライオンに脅えながら辛い思いをしているのだろうか。こんなサバンナ、もう住みたくない!なんて思うのだろうか。ライオンは悪い奴で、シマウマが可哀想だからライオンのいない所へ連れてってあげるのが正しいのだろうか。シマウマはシマウマで、楽しく暮らしているのだろう。まあ、楽しいと思わないまでも辛いとも思わず淡々とサバンナの暮らしを生きているのだと思う。はらっぱ園も同じだ。暴れるのが好きな人もいれば、それが怖くて泣く人もいる。よくないとか可哀想とか言ってもはじまらない。これが社会というものだ。と、とうちゃんは思った。

2003年4月24日(木)

お弁当

残りご飯でトマト蒸しご飯。いおぴーはたいそうお気に入りで、ご飯粒一つ残さずきれいに食べてくれた。家に帰ってからも多めに作って鍋に残っていたトマト蒸しご飯をおやつ代わりに全部食べたらしい。「毎日このご飯にして~」とまで言っていた。

2003年4月25日(金)

わらべ唄の会

金曜ははらっぱ園はお休みだが、有志メンバーでわらべ唄の会がある。今日は相性の悪い男の子が来ていなかったのもあってか、いおぴーはのびのびと楽しそうだったらしい。終わった後はそのままshokoが仕事に連れて行き、帰って来た時は夜遅くでいおぴーはすでに眠っていたので、とうちゃんが日記に書けることは大して無い。いいかげんshokoに日記再開してほしい。

2003年4月26日(土)

新宿で買い物

shokoの仕事の買い物ついでに、デジカメやらノートPCを見るためにヨドバシカメラに出かけた。しかし、いおぴーにとっては当然のことながら面白くも何ともなく、とうちゃんとかあちゃんの都合であっちこっちの売り場を引っ張りまわされるのは苦痛だったようで、至極機嫌が悪い。やむを得ずご機嫌を取るために、shokoがカタログを集めて回る間に、近くのマクドナルドでとうちゃんといおぴーだけ一足先に休憩。いおぴーは自らプチパンケーキとポテトを注文。店の人は戸惑ってこちらに視線をよこすが、とうちゃんは「それでいいです。」とお金だけ払う。いおぴー、これは自分の分だからと独占。「ポテト1本ください」とお願いしないと貰えない。その上、わざわざ短いやつを選り出して「はい」と手渡してよこす。恐るべき暴君振りである。

帰りはくたびれて歩こうとせず、ずっととうちゃんに抱っこ。ベビーカーを持ってこなかったのは失敗だった。いおぴーは電車の中ですでに眠ってしまい、帰り着いたらくたびれてとうちゃんも一緒に寝てしまった。気がついたら外はもう真っ暗。

2003年4月27日(日)

そりで遊ぶ

先週は雨のため、マオ君とそりで遊ぶことができなかったのだが、今日あらためて小金井公園で遊ぶ約束をしたので、3人で出かける。お弁当を持っていこうかと思ったが、朝寝坊したため、途中どこかでブランチをとることにした。井の頭通りのスカイラークガーデンに寄ったが、まだモーニングメニューしかなく、仕方ないのでそれぞれモーニングセットをとり、小金井公園に向かう。

今日は先週と打って変わって陽気がよく、公園手前からすでに公園を目指す車で大渋滞していて、なかなか駐車場に車を入れられない。いおぴーとshokoだけ先に下ろして公園に向かわせた。結局、駐車場に留めるまで45分もかかった。

いおぴー達は無事マオ君一家と会うことができ、とうちゃんが行った時にはすでにアスレチックで夢中に遊んでいた。そしてマオ君の誘いでいよいよそり遊びへ向かう。

とうちゃんもかあちゃんも、いおぴーは口ではそりがしたいと言っていても、人一倍怖がりのいおぴーのこと、いざ坂の上に立ったら怖気づくに違いないと踏んでいたのだが、意外や意外。最初は、いおぴーはマオ君とマオ君のおとうさんの3人でそりに乗ったのだが、降りてくるとすぐに「もう一回やりたい!」と言って、今度はとうちゃんと二人でそりゲレンデに登る。そして、いざ滑る段になると、「いおちゃんひとりで行きたいからおとうさんは乗らないで!」と言う。これにはとうちゃんもびっくり。しかしいおぴーがどうしてもひとりで滑ると言い張るので、いおぴーだけが乗ったそりを押し出してやる。軽いから結構なスピードが出て、こっちがちょっと冷や冷やしたが、いおぴーは大満足。その後も、一人で滑ったり、マオ君とふたりで滑ったりと何本繰り返しても、飽きることが無かった。相当にそりが気に入ったようで、「いおちゃん、そりが好きになったから、買って」と言う。そのうち、買ってやらねばなるまい。shokoはいおぴーの意外なタフぶりに心底驚いていた。はらっぱ園に通うようになってからいおぴーはずいぶん変わったみたいだ。野性派になった。

その後、マオ君と砂場へ移動して遊ぶ。しばらくは普通に穴を掘ったり、山を作ったりして遊んでいたが、いおぴーの野性ぶりはここでも発揮され、さっさと靴と靴下を脱いで裸足になり、手や足を埋められて喜んでいた。いおぴーは埋められ好きなのだ。そのうち興奮が度を過ぎると、自分の頭にまで砂を盛ったりしてつむじの中まで砂まみれ。親の想像の限度をはるかに超えたお馬鹿ぶりだ。ちょっと悲しくなった。マオ君に悪い影響を与えないといいが。

マオ君一家と別れた後、トイレでかあちゃんに全身と髪まで洗われて大泣きしたが、おやつに団子を食べてケロリ。よっぽど疲れたと見えて、帰りの車では3分で爆睡状態に突入しました。

2003年4月28日(月)

いおぴーの行き場

今日ははらっぱ園はお休み。しかし、とうちゃんもかあちゃんも仕事があるので、いおぴーをどうするかが問題。いつもならshokoが連れて行くのだが、金曜日に連れて行ったら仕事にならず、とても困ったようで、今日は連れて行けないと言う。じゃあ、とうちゃんと会社に行くか、と言ってみる。とうちゃんのフロアはほとんど全員が有休を使って10連休とっているため、今日はとうちゃん以外はバイト君一人しかいないのだ。だからその辺で遊ばせておいても大して邪魔にもなるまい。いおぴーは乗り気で、「おとうさんと会社行ってお仕事する~」と張り切っている。が、よく考えたら今日は午前中、会議の予定がはいっているのだった。さすがにいおぴーを長時間フロアにひとりで置いておくのは、バイト君がいるとはいえ、問題ありなので、会社に連れて行く案は却下となった。いおぴーはがっかり。

ふりだしに戻っていおぴーの行き場を考えた結果、結局おばあちゃんに預かってもらうことになった。いおぴーは切り替えがすばやく「おばあちゃんと公園行く~」と言っているが、おばあちゃんも最近は終日いおぴーの相手はきつそうなので、なかなかお願いしづらい。今後も、こういうケースが多そうなので、ちょっと先行き不安。

2003年4月29日(火)

公園はしご

shokoが助産婦土屋さんの誘いで、筋膜療法の講習に出かけてしまったので、今日はとうちゃんがいおぴーのお相手。とうちゃんはHDDの換装を今日中に済ませたかったので、直前まで予定を告げずいきなり出かけるshokoにちょっとむかついた。

自転車で公園に行くことにした。天気がとても好いので、いおぴーもとうちゃんもTシャツ一枚だ。いおぴーのリクエストはロケット公園だったが、あまり遠くまで行くのも面倒なので、まずは手近なところで地蔵前公園へ行った。ここのアスレチックはいおぴーのお気に入り。特に、とうちゃんが吊り橋から片足を踏み外す真似をしていおぴーに救助してもらうという遊びが大好きだ。これをやろうと言うと、ロケット公園よりこっちがいいとなる。今日は助けてもらう時に靴が脱げて下に落ちるというアレンジを加え、いおぴーに大受けだった。

しばらく遊ぶと結局ロケット公園へ行きたいと言い出すいおぴー。とうちゃんも、今日は公園でタバコを吸っている大人が多くてうんざりしていたので移動。「近道発見!」とかふざけながら走っていたら道に迷った。マジで迷ってしばらくグルグル彷徨っていたら、いおぴーに「だれか知らない大人の人に公園はどっちですか?って訊けばいいでしょ。恥ずかしくても勇気出して!」と言われた。でもそうこうしている内に善福寺川にあたったので、「とうちゃん道わかったよ!」と言って、川沿いを走ってなんとか自力で公園にたどり着いた。

公園では遊具で遊ぶより、ナズナやタンポポの綿毛を探したり、木の枝を集めて焚き火ごっこしたりのほうが楽しそうないおぴー。こういういおぴーを見ていると、遊具だけの児童遊園よりも、緑の多いここまで来てよかったという気になる。タンポポの綿毛は去年から好きで、自転車での保育園の送り迎えの途中でよく探したものだが、タンポポの季節が過ぎた頃、「どうしてタンポポなくなっちゃったの?」と訊くいおぴーに、「タンポポは春の花だから、夏が過ぎて、秋が過ぎて、冬が過ぎて、また春が来たらタンポポ咲くよ」と話し、季節の概念を説明したものだった。あれからもう1年近く経つと思うと感慨深い。これから毎年タンポポを見るたび思い出すのだろうなあ。

いおぴーが自転車に乗りたがるので、さらに足を伸ばして、交通公園に行ってみる。交通公園にはいおぴーくらいでも乗れる自転車があるらしい。が、時間が遅すぎたのか閉まっていたので、しかたなく隣にあった小さな児童遊園でお店屋さんごっこをしてしばらく遊ぶ。日が傾いてきて肌寒くなり始めたので、「そろそろ帰ろうか」と言ってみるが、「もっと遊ぶ!」と言って帰ろうとしないいおぴー。そこで「じゃあ、もっと他の公園を探しに行こう」と、騙くらかしにかかるとうちゃん。いおぴーの同意を得て自転車で走り出すと、案の定、程なくいおぴーはコックリコックリ舟を漕ぎ始める。作戦成功。

家に帰り着いても、ぐっすり眠っているいおぴー。おかげでHDDの換装も無事できました。

2003年4月30日(水)

何の音?

夜、コンビニへ出かけた。いおぴーも一緒に行くと言う。あまり好ましくないが、shokoがPCに向かっているところだったので、連れ出したほうが邪魔にならないと思い、連れて行くことにした。

ベビーカーを出そうとしたが、いおぴーが「遠くのコンビニだったらベビーカーだけど、一番近くのコンビニだったら、いおちゃん歩いて行けるからベビーカー要らないよ」と言うので、その言葉に従ってベビーカーを出すのはやめた。

しかし、いざ歩き始めると真っ暗な道は不安なようで、とうちゃんにぴったりくっついて来るいおぴー。その時、どこからか、ギィーーーーという不気味な音が聞こえてきた(多分古い木戸が風できしむ音だと思う)。いおぴーは思わずとうちゃんの脚にしがみつき、とうちゃんの顔を見上げる。とうちゃんはわざと怯えたふうに「あれ、何の音?」といおぴーに訊くと、いおぴーは精いっぱい強気な声で「心配しなくていいの!あれは、猫が鶏肉を食べてる音。でも硬いからギィーーってなっちゃったの!」と答えてくれた。あまりに意表をついた突飛な解釈に、とうちゃん思わず噴き出してしまった。そんなとうちゃんの様子が面白かったらしく、いおぴーも笑い出した。

笑いながらコンビニに着いた。



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